仕事が嫌になったら見るブログ

仕事が嫌になって仕事を辞めたおっさんから、仕事が嫌になった皆さんに向けた様々なtips集です。

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感情の高ぶりを抑える 深呼吸のススメ


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 皆さんこんにちは、Jackです。

 

 今回皆さんにお話しするのは、「深呼吸」についてです。

 仕事で嫌なことがあった時には、怒りや悲しみなど様々な感情が湧き出てくることだと思うのですが、そんな感情の高ぶりを抑えるための手法の一つとして、皆さんに深呼吸することをお勧めしたいと思います。

 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

感情の高ぶりを抑える 深呼吸のススメ

深呼吸が人体にもたらす効果とは?

 僕が病院併設のリワーク(復職支援プログラム)に通っていた時に、講師である理学療法士の方からこのようなお話をお聞きしました。

 

 いわく、「人間は深呼吸をすることによって、副交感神経の優位をもたらすことが出来る」というもので、簡単に言えば、深呼吸には興奮状態にある自分の感情を落ち着かせる効果がある、ということです。

 昔からよく「気が動転している時には、とりあえず深呼吸をしてみよう」などと言われていましたが、理学療法士さんのお話では、実際に医学分野における臨床実験などでも、その効果は実証されているとのことでした。

 

深呼吸のコツ

 では、実際に深呼吸する時に、何かコツのようなものはあるのでしょうか?

 

 僕がお話を聞いた理学療法士の方と、以前のブログ記事でご紹介したアメリカのスポーツ心理学者であるジム・レーヤー氏が勧める方法は、奇しくも同じでした…深呼吸のポイントは、大きく分けると次の二つです。

 

1)腹式呼吸

 呼吸をする時には、胸(胸郭)だけで呼吸をするのではなく、お腹の横隔膜を大きく動かす腹式呼吸が良いとされています。

 

 レーヤー氏によると、その一番の理由として、胸郭呼吸が人間の肺の上部しか活用できておらず、横隔膜を動かす腹式呼吸に比べると「空気をより深く肺に送り込む」という点において非効率的であることが挙げられています。

 同じ回数の呼吸を行っていても、活用できている肺の容量に差があるというのは、もったいない話ですね。

 

 また、腹式呼吸は胸郭呼吸に比べると、呼吸をする際に消費するエネルギーの量が少ないとも言われています。

 僕自身は、中学校の部活動で剣道をしていた時に、一番最初に習ったのが腹式呼吸でしたが、この話を聞いた時、当時どれだけの研究がなされていたのかはさておき、「昔から、武道におけるエネルギー効率の追求は行われていたのかな?」と思いました。

 

2)鼻から吸って、口から吐く

 同じく呼吸法について、レーヤー氏は「鼻から吸って、口から吐く」ことを勧められています。

 その理由は様々なのですが、おおむね次の通りです。

 

1.外気の浄化がなされる

 鼻の中には、湿った粘膜に沿って短い毛がたくさん生えていますが、これら粘膜や短い毛が、吸い込んだ空気中のちり等を集めて留め、肺に入る空気を浄化してくれます。

 

2.外気の温度・湿度を適切に調整する

 鼻から吸い込まれた空気は、粘膜や鼻腔によってその温度や湿度が、人体により適したものに調整されるそうです。

 

3.脳をマッサージしてくれる

 人間の脳は頭蓋骨の中で「脳脊髄液」という液体に包まれて浮かんでいますが、この液体の圧力は呼吸と胸の空洞の圧力に合わせて上下するのだそうで、この圧力差が「脳をマッサージ」してくれます。

 

 ちなみに、レーヤー氏いわく、口は鼻よりもずっと大きな器官であるため、口で呼吸する為に必要とするエネルギーの量は、鼻呼吸の二分の一であると指摘されています。

 

 そして、ここから先は僕の推測なのですが、鼻から吸った息を口から吐き出す理由は、このエネルギー効率の差によるものではないかと考えます…吸い込む息を浄化したり、温度や湿度を適切なものに変換するという意味では「鼻から息を吸う」ことに意味があるのでしょうが、吸い込んだ息を吐き出す時には、よりエネルギー効率の良い方法を採っているのではないかというのがその理由です。

 

 ただし、レーヤー氏は著書の中で「鼻から吸って、鼻から吐く」方法についても、その科学的効果と併せて触れられているので、息の吐き方については一概に「この方法がベスト」と言うのが難しいように感じました。

 

呼吸と感情の関係性について

 さらにレーヤー氏の著書を読み進めていくと、呼吸の仕方によって人間の神経の信号の発し方が変わること、それゆえに「感情が呼吸をコントロールし、呼吸が感情をコントロールできること」が述べられています。

 

 その根拠は、ニューヨーク大学の心理学者であるシーラ・スペバー・ハース博士が、1979年と1980年に行った研究結果で、それによると、ゆるやかで深い呼吸をする人は「力強く、安定して大胆で、頭脳も肉体も自分でコントロールしている」のに対し、速く浅く呼吸をする人は「内向的、消極的で、何かに脅えており、自分自身の考えや自己防衛のことまで他に依存している」とのことでした。

 

  個人的には、ハース博士に続く他の研究結果の内容などがあれば、そちらもぜひ見てみたいのですが…いずれにせよ、呼吸と感情の関係性が非常に密接なものであるとするならば、自分自身で意識的にコントロールすることが可能な呼吸をもって感情を整えることが出来るので、これを活用しない手は無いでしょう。

 

まとめ

 僕がお世話になった理学療法士さんとレーヤー氏の話をもう一度整理すると、人間は深呼吸をすることによって自分の体の反応をコントロールすることが可能であり、それと併せて感情のコントロールを行うことも可能であるというお話でした。

 

 仕事で嫌なことがあった時によくありがちなのが、「怒りの感情が湧き上がって、呼吸や脈拍が乱れ、頭に血が上る」といった生理的反応だと思われますが、深呼吸をすることによって副交感神経の作用を優位に立たせ、より効率的に空気を体内に取り入れることで体の様々な作用を促すことで、怒りの感情を沈めることが出来ると言えるでしょう。

 

 また、日常生活を送る上でも、「腹式呼吸」プラス「鼻から吸って口から吐く」の基本動作には様々なメリットがあると思われますので、もしよろしければぜひこの呼吸法をご活用下さい。

 それでは、次回もまたどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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 ジム・レーヤー氏の著書として、こちらは以前の記事でもご紹介した本ですが、

 

 レーヤー氏は、こんな本も出版されています。

 

 この本の中身がまた、「これでもか」というぐらいに複雑多岐に渡る呼吸法の説明をしているのですが…呼吸による脳のマッサージのお話は、こちらの本からの引用となります。

 

 残念ながら、この記事を書いている時点においては絶版となっているようなので、古本屋さんなどで見かけることがあれば、一度パラパラとめくってみるのも面白いと思います。