皆さんこんばんは、Jackです。
今回皆さんにご紹介するお話は、「TFT(思考場療法)」というストレス解消法についてです。
近年になって精神医療の現場でも注目度が上がっているというこのTFT、自分で実践するのも非常に簡単なので、ぜひ一度お試しいただいてはいかがでしょうか?
それでは今回も、どうぞよろしくお願いいたします。
ツボを叩いてストレス解消 TFT(思考場療法)の効果について
TFTとは何ぞや?
そもそもTFTとは何ぞや、といった辺りからのご説明ですが、このTFTは米国心理学者のロジャー・J・キャラハン博士が1970年代の後半に発見したとされる、簡単に言えば「体のツボをタッピングすることによって、ストレスを解消(あるいは流し去る)方法」であります。
参考URL:一般社団法人 日本TFT協会ホームページ
TFTを日本語にすると「思考場療法」と言うのだそうでして、少し前までは精神医学の分野におけるエビデンス(研究に基づく論理的な証拠)の少なさなどから、眉唾もの扱いされていた部分があったようなのですが(苦笑)、僕が通っている精神病院併設のリワーク(復職支援プログラム)のスタッフさんによると、昨今では特に「実践することによる一切の副作用が無い」「その割には、精神医療の現場において、一定の効果が認められるエビデンスが揃いつつある」という観点から、注目度が高くなってきている治療法なのだそうです。
その効果の範囲はなかなか広くて、よくあるパターンでは不安やうつ、恐怖症の解消などに用いられることが多いそうです。何とも便利なものですね。
TFTの行い方
さて、それぐらいに精神医学の分野で注目度が上がってきているTFTですが、実際にはどのように実践すれば良いのでしょうか?
実のところ、実践方法は非常に簡単です。例えば、僕が病院の臨床心理士さんから教わった方法は、おおむね次の通りです。
1) 問題をひとつ思い浮かべます。この時、その問題のストレスの強さについて「10
段階中、どれぐらいの強さであるか(例えば「5」とか「7」とかのように)を、あらかじめ考えておきます。
2)まずPR(どちらの手のひらでも構わないので、手のひらの小指側の端の真ん中あたり)を15回タッピング(トントンと叩く)します。やり方としては、何かを空手チョップするような感じで良いでしょう。
3)眉頭➡︎目の下➡︎わきの下➡︎鎖骨下の順に、2本指で5回ずつタッピングします。
4)9g(ナイン・ジー):
ガミュート(手の甲にある治療ポイントのことで、薬指の筋と小指の筋の間ぐらいの場所)をずっとタッピングしながら、各5回くらいタップする間に
1. 目を開けます
2. 目を閉じます
3. 目を開けて、顔はまっすぐのまま、視線を右下に
4. 視線を左下に
5. 目を回転させて
6. 目を反対回りにもう一度回転させます
7. ハミング(例えば、好きな曲のメロディーを鼻歌)
8. 1から5まで、数を数えます
9. 再びハミング(例えば、好きな曲のメロディーを鼻歌)
※目の不自由な方は、目を開けたり、視線を下に向けていると想像しながらでも行えます。
5)眉頭➡︎目の下➡︎わきの下➡︎鎖骨下の順に2本指で5回ずつタップします。
6)この段階で、一番最初に思っていたストレスの数値の強さにどれぐらいの変化があったかを感じます。例えば、TFT開始前にはストレスの強さが「7」だったものが、実施後には「4ぐらい」になったみたいな感じで。
この時、ストレスの度合いが「1~2」ぐらいまで下がっていたら、次の7)の項目へ進みます。そこまでストレスの数値が下がっていないようであれば、再び2)の手順に戻って同じ行為を繰り返し、ストレスの度合いが「1~2」ぐらいになるまで続けてみて下さい。
7)アイ・ロール
効果を落ち着かせるため、ガミュート(手の甲の治療ポイント)をタップしながら、顔はまっすぐ前のまま、10秒くらいかけて視線だけを床から天井まで動かします。
「PR」や「ガミュート」など、専門用語が色々と出てきますが、それら詳細については下記参考URLをぜひご覧ください。
参考URL:一般社団法人 日本TFT協会ホームページ「ストレスケアの手順」
TFTって、本当に効くの?
ここまではTFTの実践方法についてお話をしてきましたが、さてここで皆さんが一番気になる点は「TFTって、本当に効果があるの?」といった辺りではないでしょうか。
実のところ、僕もリワークで臨床心理士さんにこのTFTを教わった時に、思わず「これって、何かのおまじないだったりするのですか?」と聞いてしまったことがありました。
その僕の問いに、臨床心理士さんは少しむっとして「ここは医療機関併設のリワークです。このリワークでは、民間療法やおまじないのようなエビデンスのない医療行為は行いません」とはっきり言われてしまいました。(苦笑)
その臨床心理士さん曰く、例えば色々と目を動かす行為については「脳に繋がる人体の神経の中で、一番脳から距離が近いものが実は視神経である」ことから、視神経を刺激することによって脳への働きかけを行っているとか、「ハミングをすることは右脳(知覚・感性)を刺激し、数を数えることは左脳(思考・論理)を刺激する」などといった感じで、すべての行為においてきちんとした医学的根拠があるのだそうです。
ただし、TFTの効果の出方には個人差があり、同じ個人であっても自分だけで行った場合と、プロ(例えば僕の場合、TFTを教えてくれた臨床心理士さん)に行ってもらうのとでは、はっきりと効果の出方に違いがありました。
僕自身は、臨床心理士さんに手伝ってもらって行ったTFTには思っていた以上の効果があったため、昔からどこか心の隅に引っかかっていたトラウマのようなものも、心の中から流してもらうことが出来たように感じています。
具体的には、昔あった嫌な思い出で、今までであれば何かの折に時々思い出していたようなことであっても、臨床心理士さんに手伝ってもらってTFTを実施した後では、ほぼそういったことを思い出すことが無くなった(あるいは、思い出してもそれほど心の苦痛を伴うことがなくなった)といった具合です。
ちなみにこのTFT、過去の心理的トラウマを除去することを主な目的として使われることが多いのですが、僕が教わった臨床心理士さんいわく「体調を良くしたい」とか「こんなことが出来るようになりたい」といった、ポジティブシンキングの実現にも役立てることが出来るのだとか。これまた何とも不思議なものですね。
まとめ
という訳で、皆さんも仕事で嫌なことがあった時などには、さっさとその嫌な思い出を忘れるためにも、ものは試しでTFTを実践してみることをお勧めします。
実際にどれぐらいの効果があるのかは本当に個人差があるのですが、最初の方でもお話ししたとおり「一切の副作用が無い」という点においては、たとえ効果が感じられなかったとしても、試してみるだけの価値がある方法だと思います。
そして、最後になりましたが、TFTについてもっと詳しく知りたいという方には、次の書籍がオススメです。
実はこの本、僕も持っているのですが、この本の唯一最大の欠点は「書かれている内容が複雑多岐で分かりにくい」ところでしょうか。(笑)
例えば、解消しようとするストレスの種類別にタッピングするツボの場所やタッピングする順番が事細かに書かれているのですが、正直なところ「いちいち全部覚えきれない」のと、先にご紹介したタッピングの方法が一番汎用性が高いため、TFTのプロの方でもなければ、本の内容の詳細を全部覚える必要性はあまり感じられません。
そういった意味では、先にご紹介した日本TFT協会さんのホームページを見ながら、見様見真似でタッピングをしてみる辺りから始めることをお勧めしておきます。
それでは、また次回もどうぞよろしくお願いいたします。